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SF好きなら見逃せない!Netflixオリジナルアニメ「ラブ、デス&ロボット」のおすすめエピソードを紹介

SF好きなら見逃せない!Netflixオリジナルアニメ「ラブ、デス&ロボット」のおすすめエピソードを紹介

Netflixのオリジナル作品は個性的な映画やドラマが多いことで知られており、SF映画やドラマの良作も多くあります。

そんな中でも特に話題を呼んだのが、2019年公開のアニメーションシリーズ「ラブ、デス&ロボット」です。

SFアニメの限界に挑戦するような本作の中から、特に注目のエピソードをご紹介します。

「ラブ、デス&ロボット」とは?

「ラブ、デス&ロボット」は、「セブン」や「ファイト・クラブ」などのヒット作を手がけたことで知られ、ハリウッドでも圧倒的な人気を誇る巨匠デヴィッド・フィンチャーが製作総指揮を手がけたアニメシリーズです。

全18作のエピソードから成り立っており、各エピソードは5分ほどの超短編から15分超えの作品までさまざま。

表現方法も昔ながらのカートゥーン調から実写と見間違うほどのCGアニメまで多彩で、それぞれの作品がSFを軸にホラーやアクション、コメディなどさまざまなジャンルの要素を見せています。

個性的な作品が並ぶNetflixオリジナルの中でも、特に異彩を放つシリーズです。

そんな「ラブ、デス&ロボット」の中でも、SF作品として特におすすめのエピソードをまとめました。

※作品によってはかなり過激でグロテスクな描写もあるので、苦手な方は視聴注意です。

シリアスな世界観と映像美でインパクトを与える『ソニーの切り札』

近未来のロンドン。地下の格闘場では、生物兵器による賭博試合が人気を集めていた。

「カーニヴォー」というトカゲのような生物を操る女性ソニーは人気ファイターとして名を馳せていたが、試合の主催者であるディッコからわざと負けるように八百長を持ちかけられるもそれを拒否し、その夜も勝利を得る。

ところが、彼女に恨みを抱いたディッコによって面倒な争いに巻き込まれてしまい……

 

「ラブ、デス&ロボット」の幕開けを飾る作品。オープニングタイトルにふさわしい怪作で、まずその圧倒的な映像表現に驚愕させられます。

CGアニメーションで描かれる背景やキャラクターは凄まじい繊細さで、人間の動きなどのわずかな違和感がなければ実写かと思ってしまうほど。

グロテスクなアクション描写も合わさって、本作が異色のアニメシリーズであることを物語っています。

また、「ソニーとカーニヴォーの関係性」に仕掛けを施したSFチックなストーリーも見どころ。ショッキングなラストに度肝を抜かれます。

「ラブ、デス&ロボット」の幕開けを飾る作品。オープニングタイトルにふさわしい怪作で、まずその圧倒的な映像表現に驚愕させられます。シリアスな世界観と映像美でインパクトを与える『ソニーの切り札』

出典:Netflix

個性派ロボットたちのコミカルな終末旅行『ロボット・トリオ』

人類が絶滅した後の地球。荒廃した街並みの中を、3体のロボットが旅している。

ロボットたちは世界を観光しながら、人類の文明や生活を想像し、楽しんでいたのだった。

そんな彼らの前に、一匹の猫が現れる。ロボットたちは猫を追っていくうちに、ミサイルの発射基地にたどり着くが、そこで驚くべき光景を目にするのだった。

 

1作目「ソニーの切り札」とは打って変わってコミカルな作品。

描かれる景色は「文明が崩壊し、都市の廃墟や白骨化した死体が並ぶ終末社会」という暗いものですが、それを観光気分で眺めながらワイワイガヤガヤと旅するロボットたちに笑わされます。

見た目も性格も違うロボットたちは人間臭さが全開ですが、会話の端々で「人間の感情的な行動を理解できない冷たい合理性」のようなものを覗かせていて、それがまたシュールな笑いを誘います。

人類の滅亡後もAIロボットたちが生き残っていたら、こんな光景がくり広げられていくのかもしれない……と思わされるユニークなSFコメディです。

個性派ロボットたちのコミカルな終末旅行『ロボット・トリオ』 人類が絶滅した後の地球。荒廃した街並みの中を、3体のロボットが旅している。

出典:Netflix

パワードスーツでエイリアンから畑を守る時代『スーツ』

バリアに守られた近未来の田舎の農村。そこへバリアを破り、凶暴なエイリアンの群れが侵入してくる。

農夫のハンクは家や畑、牧場を守るために重武装のパワードスーツに乗り込み、隣人のジェイクやメルとエイリアンに立ち向かうが、予想外の大群を相手に苦戦させられることに。

壮絶な死闘が続く中で、ハンクは一か八かの行動に出るが……

 

まるでアメリカのスマホゲームのようなアニメーションで、エイリアンの侵攻から土地を守る農夫たちを描いたパニックアクション作品。

絵柄こそポップな雰囲気ですが、津波のように押し寄せるエイリアンと重厚なパワードスーツの戦闘シーンは、まるで「エイリアン2」や「スターシップ・トゥルーパーズ」のような迫力です。

また、終盤では主人公ハンクたちの農場が地球ではなく「遠い惑星の中の、ドーム状バリアで覆われた植民地」にあると判明するのも見どころ。

人類が宇宙に進出した未来では、こんな風にパワードスーツでエイリアンと戦いながら入植に励む人々の姿があるのかもしれません。

バリアに守られた近未来の田舎の農村。そこへバリアを破り、凶暴なエイリアンの群れが侵入してくる。パワードスーツでエイリアンから畑を守る時代『スーツ』

出典:Netflix

実写顔負けの美麗CGで描くSFホラー『わし座領域のかなた』

宇宙船クルーのトムは仲間たちと帰路につき、睡眠装置の中に入る。

ところが、次にトムが目を覚ましたときには、彼らの船はエラーによってはるか遠くの宇宙ステーションへと流れついていた。

そこで元恋人のグレタに出会ったトムは、地球から何万光年も離れた場所で数世紀もの時間が過ぎ去っていることを知らされる。

ところが、トムはグレタに違和感を覚え、彼女が本物ではないことに気づき……

 

「ラブ、デス&ロボット」の作品群の中でも、最も映像面でインパクトがある一作。

1作目「ソニーの切り札」も凄まじいCGクオリティでしたが、本作の衝撃度はそれをさらに上回ります。人間の肌の質感まで緻密に描写されていて、極限まで実写に近い完成度です。

登場人物の表情の動きにわずかな違和感がなければ、「これは実写映画です」と言われても気づかないほど。CGアニメーションと実写の垣根があとわずかまで狭まっていることを感じさせます。

実写顔負けの美麗CGで描くSFホラー『わし座領域のかなた』。「ラブ、デス&ロボット」の作品群の中でも、最も映像面でインパクトがある一作。

出典:Netflix

輸送機とパイロットの不思議な友情『ラッキー・サーティーン』

搭乗員の戦死者を続出させていることから、皮肉を込めて「ラッキー・サーティーン」と呼ばれている海兵隊の輸送機。

そのパイロットになったコルビーは、機体の噂に反して大活躍を見せ、部隊を何度も生還させていく。

やがて「ラッキー・サーティーン」は幸運を呼ぶ輸送機としてコルビーの愛機になるが、ある日の任務で敵の攻撃によって墜落してしまい……

 

「輸送機とパイロットの絆」という珍しいドラマを描いたミリタリーアクション作品。

愛車や楽器などをまるで家族のように大切にする人は珍しくありませんが、本作の主人公コルビーは、無骨な旧式輸送機に対してそんな愛情を向けます。

さらに面白いのは、輸送機「ラッキーサーティーン」もコルビーに対して愛情を返しているように見えるところ。クライマックスでは1人と1機の絆に思わず感動してしまうシーンもあります。

「大切に扱われた道具には魂が宿る」という言い伝えを感じさせるストーリーで、ある意味では「ラブ(愛)」「デス(死)」そして「ロボット(機械)」という本シリーズのテーマを最も色濃く感じさせるエピソードです。

『ラッキー・サーティーン』「輸送機とパイロットの絆」という珍しいドラマを描いたミリタリーアクション作品。

出典:Netflix

一人のロボットが辿る奇妙な人生と創造『ジーマ・ブルー』

「青」を基調とした作品で絶賛を集める謎の芸術家・ジーマ。

記者のクレアはそんなジーマから招待を受け、彼の知られざる生い立ちや経歴について取材することになる。

彼から語られたのは、自身が元々は「プールの清掃用ロボットだった」という驚くべき過去。

やがてクレアに自分のことを語り終えたジーマは、自身のアイデンティティを示すような最後の作品の発表に臨むのだった。

 

本シリーズの中でもずば抜けて異色のエピソードに仕上がっている一作。

絵柄は昔ながらのカートゥーンアニメ調ですが、タイトルにもあるように全体的に「青」が基調となっていて、どこか異質でミステリアスな雰囲気をまとっています。

そんな世界観で描かれるのは、ロボットでありながら芸術家として名を馳せることになった、奇妙な男の人生の物語。ただの清掃用ロボットだったジーマがアップグレードによって自我を持ち、ひとつの生き様を完成させて自身のルーツである「プールの中」へと還っていく光景には、生身の人間と同じ「生まれ、育ち、死んでいく」という命の巡りが感じられます。

生き物ではない「ロボット」という存在を主人公に据えて、「生命のはじまりから終わりまで」を表現しようとした挑戦的な一作として注目です。

一人のロボットが辿る奇妙な人生と創造『ジーマ・ブルー』。本シリーズの中でもずば抜けて異色のエピソードに仕上がっている一作。

出典:Netflix

アニメーションで描く斬新なSF世界に触れてみて

シュールに笑わせてくれるポップな作品から、哲学的に考えさせる作品、さらには思わず目を覆いたくなるグロテスクな作品まで、それぞれのエピソードがまったく違うかたちで「SF」と「アニメーション」の可能性を感じさせてくれる「ラブ、デス&ロボット」。

かつてなく斬新なSF世界は、ロボットやテクノロジー、近未来といった要素に興味がある方なら、衝撃を受けること間違いなしです。

異質で魅力的な映像とストーリーに、ぜひ触れてみてください。

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