SF

人工知能(AI)が登場・活躍するSF映画10選 リアルな近未来描写に注目!

人工知能やAIは、昔はSF作品の中だけに登場するものでした。ですが、技術の進化によって、今ではこうした存在が現実社会の中でも身近なものになっています。
そこで今回は、「人工知能やAIが登場・活躍するSF映画」の良作をまとめました。映画を通してリアルな近未来を体感したい方は必見です。

人工知能(AI)が登場・活躍するSF映画10選 リアルな近未来描写に注目!

名作SF小説を映像化『アイ,ロボット』

人工知能を搭載した人型ロボットが社会の中で活躍するようになった2035年のアメリカ。
刑事のスプーナーは、ロボット工学の権威であり、自身の恩人でもあるラニング博士が死亡したと知らせを受けて現場に向かう。
ロボット開発の大手企業U.S.R.のビル内で死亡した博士を自殺と断定する警察。
しかし、現場に違和感を覚えたスプーナーが博士のラボを捜索すると、そこにはまるで人間のような感情を持った最新鋭のロボット「サニー」がいた。
サニーが博士殺害の犯人ではないかと疑うスプーナーは、U.S.R.の妨害を受けながらも真相を解明しようと奔走していく。

ロボットSFの基礎を築いたアイザック・アシモフの名作小説「われはロボット」。
その内容をベースに映画化したのが、この「アイ,ロボット」です。
テーマになっているのは、ロボットの人間への服従、絶対安全、自己防衛を定めた「ロボット工学三原則」。
現実社会のロボット開発にも影響を与えているこのルールを軸に、自我を持ったロボットと主人公の交流、そして人工知能の暴走が描かれます。
リアルなCGによる近未来描写も見どころで、特にサニーのロボットとは思えない表情変化には驚かされること間違なしです。
ハリウッドスターのウィル・スミスが主演を務めたのも注目ポイントとなっています。


人工知能の成長を描いた異色作『チャッピー』

治安悪化に対応するため、高性能の戦闘ロボットが警察に導入されている近未来のヨハネスブルク。
ロボットの設計者であるディオンはかぎりなく人間に近い人工知能ソフトウェアを開発し、それをロボットの中に組み込もうとする。
ところが、ニンジャ、ヨーランディ、アメリカと名乗るギャングたちがディオンを誘拐したため、ロボットも彼らの手に渡ることに。
ギャングたちから「チャッピー」と名づけられたロボットは、子どものように純粋な精神と高い知能を持ち、ギャングたちから武器の扱いや強盗のやり方を教わりながら急成長していくが……

「人工知能の精神的な成長」というユニークなテーマを描く異色のロボットSF映画「チャッピー」。
主人公であるチャッピーの無邪気な振る舞いが可愛らしい一方で、社会の格差や「悪人のもとに生まれた者もまた悪人に育ってしまう」という負の連鎖を描いた社会派なストーリーも印象的です。
監督は「第9地区」や「エリジウム」などを手がけ、近年のSF映画界で大きな話題を集めてきたニール・ブロムカンプ。
彼の監督作の常連であるシャールト・コプリーがチャッピーの動きと声を手がけ、シガニー・ウィーバーやヒュー・ジャックマンといった実力派が脇を固めました。


ゾッとするほどリアルなAIロボットの姿に注目『エクス・マキナ』

世界的なIT企業ブルーブックで働くエンジニアのケイレブは、ひょんなことから社長であるネイサンの屋敷に招かれる。
そこでケイレブが見たのは、まるで本物の人間のような女性型ロボット「エヴァ」だった。
実はネイサンの屋敷は極秘の研究施設で、自分が招かれたのはエヴァに関する実験を行うためだったと知るケイレブ。
ネイサンの指示を受けてエヴァへの実験を行う彼は、あまりにも人間らしいエヴァの言動に触れるうちに、実験への違和感を募らせていく。

アカデミー賞視覚効果賞の受賞をはじめ、世界各国の名だたる映画祭で絶賛されたSFサスペンス映画「エクス・マキナ」。
最大の見どころは何といっても、女性型ロボット「エヴァ」の圧倒的な存在感です。
機械的でクリアなボディに人間の顔を持ち、その表情はどこか無機質でありながらも確かに感情を感じさせます。あまりのリアルさにゾッとしてしまうほどです。
ロボットと人間の狭間の存在であるエヴァを怪演したアリシア・ヴィキャンデルは、世界中の批評家から圧倒的な高評価を獲得。
本作をきっかけに、実力派女優としての地位を不動のものにしました。
美しくもどこかグロテスクなエヴァの表現と、予想外の展開を迎えるストーリーに衝撃を受けること間違いなしです。


人工知能が宇宙飛行士の相棒に『インターステラー』

世界規模の異常気象が続き、人類の滅亡が近づいている近未来。
元宇宙飛行士のクーパーはある日、自宅で発見した奇妙なメッセージをもとにNASAの極秘施設にたどり着く。
そして、そこでかつて同僚だったブランド教授から、人類が移住できる惑星を探す「ラザロ計画」の存在を知らされる。
ブランド教授の誘いを受けたクーパーは危険な宇宙に旅立つミッションを引き受けるが、娘のマーフからは大反対され、仲を修復できないまま出発することになった。
宇宙飛行士のアメリア、ロミリー、ドイル、そしてAIロボットのTARSとCASEとともに宇宙に上がったクーパー。
壮絶なミッションを通して、クーパーとマーフの親子としての絆が試される……

独自の世界観と映像表現によって高評価を集め続ける巨匠クリストファー・ノーランの監督作「インターステラー」。
ハードSFとして圧倒的なクオリティを誇る一方で、「親子の絆」を感動的に描いたヒューマンドラマとしても凄まじい魅力を持った作品です。
斬新な宇宙描写や多次元世界の描写に惹き込まれながら、その中で生き生きと動く登場人物たちの人間模様からも目が離せません。
また、劇中で印象的な活躍を見せるのが、クーパーたちをサポートするAIロボットのTARSたち。
高い判断能力だけでなくユーモアさえも持ち合わせ、「人間のよき相棒」として立ち回る姿に未来を感じることができます。


人工知能が求めたのは「母親の愛」だった『A.I.』

厳しい人口管理のために出産が厳しく制限されている近未来。
人間と同じような感情を埋め込まれた少年ロボットのデイビッドは、病気のため息子が冷凍睡眠下にあり、寂しく暮らしていた夫婦のもとに送られる。
夫婦から愛情を注がれて暮らすデイビッド。
ところが、夫婦の本当の息子が病気を克服して帰宅したため、しだいに疎まれるようになったデイビッドはついには森に捨てられる。
それでもなお「母に愛される」ことを望むデイビッドは、親友であるペットロボットのテディや森で出会ったロボットのジゴロ・ジョーとともにあてのない旅をしていく。

スタンリー・キューブリックが原案を手がけ、彼の死後スティーヴン・スピルバーグが後を引き継ぐかたちで製作されたSFヒューマンドラマ「A.I.」。
主演は「シックス・センス」で知られるハーレイ・ジョエル・オスメントで、実力派俳優のジュード・ロウも出演しました。
ロボットSF映画ですが、テーマとなっているのは「母と子の愛」。
プログラムされたものとはいえ、母親への愛を一心に抱えて生き続けるデイビッドの姿に胸が締め付けられます。
感情を持ったロボットは、もはやただの機械ではない。
そう強く感じさせられる名作です。


自我に目覚めたロボットたちの行く末『オートマタ』

太陽フレアによって多くの人類が死に、地球全体が砂漠化して荒廃した近未来。
生き残った人類は安全圏となる年を築き、高性能なAIロボット「オートマタ」を開発して労働力にしていた。
ある日、保険調査員として働くジャックは、「ロボットがロボットを改造してはならない」という禁則事項を破って自己修復を行うロボットと出会う。
なぜそんなロボットが発生したのかを調べていくうちに、ジャックはロボットたちの中に人間のような感情が芽生えているのを知ってしまうのだった。

人工知能やロボットがテーマの作品でよく描かれるのが「ロボットと人間の共存」。
ですが、この「オートマタ」はその一歩先となる「ロボットたちの未来」を描いた作品です。
自我に目覚め、もはやただの機械ではなく「新しい種族」と言ってもいいような存在へと進化したロボットたち。
彼らがどんな未来を望んで、どんな行動を起こすのか、その行く末を主人公の視点から静かに見つめるような内容になっています。
アクション的な派手さはないながらも、巧みな映像表現と深いテーマが印象に残る隠れた傑作です。


もしもAIに恋をしたら?『her/世界でひとつの彼女』

近未来のアメリカ。
ロサンゼルスに住むセオドアは、妻と別れて孤独に過ごしていた。
ある日、高性能の人工知能OSサマンサを手に入れたセオドアは、サマンサのあまりにも人間らしい言動と魅力的な声に強く惹かれていく。
セオドアとサマンサは日に日に親しくなっていき、デートをしたり、ときにはすれ違って喧嘩をしたりと、本物の恋人のような関係に。
人間と人工知能という壁を越えて、2人の恋はしだいに深まっていくが……

スマホやスマートスピーカーのAIが身近な会話相手になった現代ですが、そのさらに先の未来を描いたのが、この「her/世界でひとつの彼女」です。
主人公が恋をしたのは、なんと人工知能OSの女性音声サマンサ。
声だけの交流でありながら、人間よりも人間らしいサマンサの言動がとにかく魅力的で惹き込まれます。
サマンサを演じたのは「アベンジャーズ」シリーズのブラックウィドウ役で知られるスカーレット・ヨハンソン。
主人公セオドアを「ジョーカー」でオスカーを獲得したホアキン・フェニックスが演じているのも注目ポイントです。


人工知能とひとつの肉体を共有『アップグレード』

クラシックカー整備士のグレイは、謎の男たちに目の前で妻を殺され、自身も脊椎に傷を負って全身麻痺になるという悲劇に見舞われる。
犯人たちの手がかりもなく人生に絶望するグレイだったが、自身のクライアントだった発明家エロンの協力を受け、AIチップ「STEM」を脊椎に埋め込むことでふたたび動けるようになるのだった。
STEMの制御を受けることで圧倒的な反射神経や戦闘力を手に入れたグレイは、妻を殺した犯人たちの行方を追っていく。
すると、事件の裏には意外な真相が隠されていた。

「ソウ」シリーズや「インシディアス」シリーズで知られる脚本家リー・ワネルが自らメガホンをとったSFアクション映画「アップグレード」。
その内容は「人間の体を人工知能によって”アップグレード”する」という、ある意味で禁忌ともいえるものです。
特に注目したい見どころは、人工知能に体を制御されて戦うアクションシーン。
ふつうの人間ではあり得ない、一切の無駄がない超スピードの格闘戦には度肝を抜かれます。
監督がホラー界の名手ということもあって、近未来的な世界観の中にもゾッとするような不穏さが散りばめられているのも特徴です。


ロボット開発者と不思議な少女の交流『EVA〈エヴァ〉』

ロボット工学の天才として知られるアレックスは、故郷の町に戻り、子ども型ロボットの開発に打ち込むことになる。
自宅にこもって開発を行うアレックスが、町で出会ったユニークな少女エヴァをロボットのモデルにすることに。
ところが、エヴァはアレックスのかつての恋人ラナと、今ではラナの夫となっているアレックスの兄ダヴィッドの娘だった。
ラナたち夫婦とのわだかまりを感じながらも、アレックスはエヴァと親しくなってロボットの開発を進めていくが……

スペイン発のSFヒューマンドラマ「EVA〈エヴァ〉」は、スペインのアカデミー賞ともいわれるゴヤ賞で多数のノミネートと受賞を受けた秀作です。
ストーリーの中でも特に印象的なのが、主人公アレックスと少女エヴァの交流の描写。
当時まだ12歳ほどながら、圧倒的な人間味でキーキャラクターを演じたエヴァ役クラウディア・ベガの名演が印象的です。
スペインの静かな街並みの中で描かれる人々の人間模様、その中で浮かび上がる「ロボットの人間性」というテーマ。
切なすぎる結末に、衝撃を受けること間違いなしです。


秀逸なストーリーをAIがさらに彩る『月に囚われた男』

人類の新しいエネルギー源となっている「ヘリウム3」を採掘するため、たった一人で月面基地に滞在して作業に励む宇宙飛行士サム。
人工知能ガーティを唯一の話し相手にして孤独な日々を過ごしていたサムは、もう少しで契約を終えて地球に帰還するのを心待ちにしていた。
ところが、ある日の作業中に、サムは自分とまったく同じ容姿の男と遭遇。
その男も自分はサムだと名乗り、これから月に滞在して採掘作業を行う契約になっていると語るのだった。
不可解な出来事が巻き起こる中で、サムは事態の真相を探っていく。

低予算のB級映画ながら、巧みなストーリーとハイクオリティなSF描写でスマッシュヒットを記録した「月に囚われた男」。
サスペンスとして秀逸な物語展開はもちろん、「エイリアン」をはじめとした宇宙SFの名作へのオマージュが感じられる世界観も大きな見どころです。
劇中で強いアクセントになっているのが、主人公サムを支える人工知能のガーティ。
AIならではの無機質な言動が「こいつは敵なのか?味方なのか?」という不安をくすぐって、物語にメリハリをつけてくれます。
メガホンを取ったのは、デヴィッド・ボウイの実の息子であるダンカン・ジョーンズ。
本作が高く評価されたことで、若手実力派監督としてハリウッドで活躍していくようになりました。


まとめ:SF映画の世界もいつか現実になるかも?

さまざまな切り口から「人工知能がいる未来」を描いたSF映画の数々。
最近の人工知能の進化を見ていると「SF映画の世界もいつか現実になるかも?」と思えてきますよね。
人工知能を描いたSF映画を通して、リアルな未来を想像してみてはいかがでしょうか。

-SF
-, ,

© 2024 ロボットプラザ 公式サイト